立場別:国家公務員

国家公務員 ER

政策

【政策検討の「目線」について~業界との目線合わせ】
(当方から澤さんに問題提起したあるアイディアについて
基本的なアイデアはいいと思うのですが、(中略)意思決定者のガバナンスを法的にどう担保するかが問題になります。意思決定が偏るリスクも考え、プランBも考えておいたほうがいいです。

・大きな話の議論をする際には、これまでの産業界とMETIとの環境戦線での歴史的信頼関係に配慮しないと、部分的な要素のためだけにそうした動きをすることのbacklashは凄まじいものとなり、結果的に部分的要素に対する財界全体の支持を失う結果になりかねない危険性を孕むものだという認識が必要です。

2011~2015 当時36~40 メール 男

国家公務員 ER

政策

【政策検討の「目線」について~歴史的経緯への配慮】
・(行政は)モラルハザードは事業者のみならず国にも生じるのだということを念頭に、問題処理のガバナンス構造を設計していくべきでしょう。いずれにせよ、「これは俺がやったる」という人が、政治的にも行政的にも出てこないと一過性の解決策しか見いだせないでしょう。その結果、現時点で見て見ぬふりしたリスクが将来顕在化し、将来世代が昔の人たちを恨むということが繰り返されそうです。

・この政策は歴史をひも解いても、主犯が特定できないまま問題が山積してきたという感じです。私自身は今や実施責任がないという立場なため、説得力がある案を書けるわけではありませんが、国と事業者を調整するというより、今後の事業者と国が共同の目線で課題を解決していく構図の中で何を言っていくべきかの場として考えてもらった方がいいと思います。今それぞれの関係者が考えていることをなぞるというより、「それができれば理想なんですけどねぇ」というような中身について提言いただければ幸いです。

2011~2015 当時36~40 メール 男

国家公務員 ER

政策

【政策検討の「目線」について~世界と歴史から「大義」を再構築せよ】
(原子力技術の重要性について)
原子力技術(平和利用側)がいかに幅広く、さらに将来維持することが他の技術への波及からも大きな意味を持つかを説明しておくことが必要だと思います。世界もだから原子力技術を保有しようと必死なのだと。汚染水対策や廃炉もそうですが、敗戦処理ではなく、前向きのチャレンジプロジェクトだとproduceする ことが必要だということに加え、1950年代に日本が原子力が乗り出したときの政治的・世論的コンセンサスを取り戻す(難しいですが)あるいは新しい革袋に入れることが必要だということです。

2011~2015 当時36~40 メール 男

国家公務員 ER

ネットワーク活用

【政策実現に向けた業界との交渉のあり方について】
・いろいろ意見もありますが、最も注意すべきかなと思ったのは、Aだけの問題解決だけならともかく、それを契機に他の問題を一挙に解決に持って行こうとする場合、(前にも言ったかもしれませんが)これまで地元との関係を丹念に築き上げてきて、良くも悪くも地元と関係ができあがっている各事業者は、地元にとっても必要不可欠な存在になっていることを忘れないようにしなければならないということです。(ある案だけが達成できないリスクがあるときには、両方にBetしておかなければ危ないでしょう。 私が補完的にできることがあれば言ってください。何でも側面協力致します。

・長官でも次官でもいいですが、一度地元に行ってみるといいと思います。エネルギー政策への協力を大義名分に、地域内部の分裂を乗り越えてきた地元への配慮を考える契機になると思います(九州はちょっとちがうようですが)。
あと立ち話で言いましたが、各社と感覚を共有するために、両者間あるいは行司役も介在して話合わせることも一案です。キーパーソンに貴兄らの方からアプローチしてあげるのも良いかと思います。

(政策当局と業界との議論をご報告した際のご指摘)
「モラルハザード」という言葉がちゃんと定義できていないので、議論が噛み合っていないように思える。特にモラルハザードとは何か、きちんと定義しておくことが重要です。その定義によってインセンティブの対象や設計がどうなるのかに影響するからです。○○君も他の人も、自分の定義で話している感じでした。
また、この前言ったように、ツール論を先行させるより、国がどの程度のリスク分担をするべきかを政策論から行うべきでしょう。陳腐ですが、「3E」を国がどの程度評価するか。それが定量的に示されるのが、政策支援、リスク分担の程度ということになります。

2011~2015 当時36~40 メール 男

国家公務員 ER

人間関係

(お酒をご馳走になりながら)
なんぼ正しいことを言っても、組織の中では上や廻りへの正しい「言い方」がある。組織を回して行くには、廻りを説得し、束ねて自分の正しい方向に持って行かないといけないのだから、人にどう思われるか、見られているかをよく考えるべきだ。

2011~2015 当時36~40 口頭 男

国家公務員 ER

ネットワーク活用

【ネットワークの構築】
(RIETI創設の経験談を説明されながら)
自分達の政策を世界中に発信できる組織として作ったのがRIETI。アカデミックな人と組ませて、行政学タームで論文を書かせれば、世界や他省庁にも波及できる。アカデミアのキャリアも創出するかもしれない。

・世論形成能力の占めるウェイトが、役人にとって大きくなってきた。政策の企画立案に加えて、世論形成も考えるべき。この時に、誰に発信してもらうべきかというのは考えるべき。世論形成のためのチャネル(人を含む)<役所、政治、マスメディアの従来チャネルに加えて、アカデミア、ネット等>をたくさん作るべき。分野によっても異なると思う。いずれにせよ、分かりやすさが重要。難しい言葉を並べて説明するのではなく、自分の言葉でやさしくときほぐすことが重要。

・自治体等への出向で得られた経験を「一般知」化し、組織の共有財産とすべき。そのためにも、本省から仕事を発注し、首長等のキーパーソンへののアクセス権を作ってあげればいい。こういったことは、諸外国ではやられている。ただし「情報を集めてこい」という指示では意味のある情報は取れない。仮説を持った上で指示を出すべき。問題意識のない人間に情報収集はできない。

2011~2015 当時36~40 口頭 男

国家公務員 ER

政策

【政策立案の基本スタンス】
・民間にない役人の売りは、視野の広さだったはず。自分の属するセクションの枠だけでモノゴトを考えると、自然体で大きな視点で見る癖がつかない。そういう「政策オタク」の言うことは人から聞いて貰えない。外に出ていって視野を広げ、味方を作ってナンボ。

・長期に安定して政策を進めることも重要。経産省は、これが苦手でクレディビリティを失っている面もある。経産省の外に法人を作らせて、政策実施エージェントとして人材クラスターを作ることも必要ではないか。特に重要な政策であればあるほど。また、長期に安定的に行うべき施策プログラムを作り上げるために、5年ぐらいのスパンの政策ロードマップ(省全体、局別)を示すのはいいと思う。もちろん見直しは認めるべきだが、見直しを行うためにはしっかりとした論拠が求められるはず。これを継続するためには、安定的な政策運営を行う人間を人事評価でしっかりと処遇してあげる必要がある。

2011~2015 当時36~40 口頭 男

国家公務員 ER

人材育成

【人材育成について】
(ご自分の補佐当時の電子業界のレポート作成の経験をご説明されながら)
役人は財務データをうまく活用できていない。有価証券取引書がせっかく公表されているのに、有効に活用できていない。生産、流通、販売といった企業活動そのものをしっかりと勉強させた方がいい。これがないと、問題の所在はわからないはず。問題の所在がわからない中で政策を打つのはクレディビリティを失うことにしかならない。

・研修は、単に知識を身につけるだけでなく、仕事としてデータ収集や企業評価を行わせ、省内に共有するなど工夫をすべき。これは受講生の刺激にもなるし、組織としても貴重な情報になる。こういった取組を政策の検討と組み合わせ、業務の一環として行わせるべき。

・年次毎の「理想的な人材像」をまずは固めるべき。その上で、本人のキャラクターに依存する能力と、後から育てられる能力に分け、後者について研修をメニュー化して提供すべき。一律研修では、下位に合わせると上位は研修に参加しないし、上位に合わせると研修についていけないので、カスタマイズ可能な研修プログラムとすべき。

2001~2005 当時36~40 口頭 男

国家公務員 ER

人材育成

【「現場」の重要性について】
企業財務、特にC/Fがわからなければ、これからの政策は語れない。僕は自分が企業経営して苦しんできたから、骨身にしみて感じるで(笑)。どういう手段で資金を調達するのか、その時銀行は何を満たしたら貸してくれるのか、こういうのはやってみないと肌感覚として解りづらい部分がある。役所は、そうした業務を扱う機関に若いうちからもっと人を貼って、経験を積ませんと、政策設計を誤るぞ。

2001~2005 当時36~40 口頭 男

国家公務員 ER

人材育成

【日本の技術人材について】
・研究機関でも大学でも企業でもそうだけど、寺子屋で人材囲い込みで序列化していったら、人が育たない。世界標準でオープンイノベーションにしていく環境を作らないと、第一世代、第二世代がずっと盤踞して、革新はおきない。

・特に日本の原子力ではそれが顕著で、ゼミの系列によって人事だけでなく研究開発の方向性が全て決まっている。この構造を一度リシャッフルすることが必要。そのためには、政府機関、メーカー、ユーザー、大学を跨いだ「技術人材に着目した組織の大胆な組み替え」こそが必要。

2011~2015 当時36~40 口頭 男

国家公務員 ER

人間関係

君はもともと、とがり過ぎや。仕事大変だろうけど、痩せたらあかんわ。人間に丸みがなくなるし。太ってたらとがったイメージが緩和されて、人に与える印象も丸くなるから、前みたいにもう少し太ったほうがええで。

2011~2015 当時36~40 口頭 男

国家公務員 Toshi

仕事の進め方

(少人数の任意のチームで「大学改革」を目指し、チーム戦略について議論をしていた際の若手への諫言)
「天地人」とは良く言ったものだ。「天の時」、「地の利」、「人の和」というが、人については「人の縁」かな、と自分は思う。大きな仕事を成し遂げられるのは、それが求められる時、仕事を行うのに有利な状況、その仕事を実現するのに適したチーム、この3つが揃った時。そうではない時は実現することは難しいが、たとえ結果が出なくても実現に近づけられるならば、その努力に意味がある。なんでも自分で仕上げようと無理をして、逆に状況を悪化させては意味がないやろ。

1995~2000 当時27~35 口頭 男

国家公務員 Toshi

人材育成

あいつ(ある若手)は使命感が強すぎて、自分が懸命になって取り組んでいることに共感できない人間に対して苛立ち、心の余裕をなくしているかもしれん。おまえも、そういうのわかるやろ。あいつにとって、おまえが兄貴分で俺がおじさん。二人であいつを飲みに誘って、俺達の失敗談でもしようやないか。

2011~2015 当時41~45 口頭 男

国家公務員 O.S.

仕事の進め方

(課長補佐として、政策を立案する立場にいる立場にいる一方、最終的に意思決定するのは幹部等であり、そこで若手としての悩み(フラストレーション)を抱えていた自分に対していただいたご指摘でした)
最後、意思決定するのは幹部であっても、後に残るのは紙であり、その紙を書いているライター、ワープロをたたいている人間というのは圧倒的に強い。ワーディング、フレーズ、ロジックも、最後はライターが書いたものだけが議論され残るのであって、そこの強みを忘れてはいけない。

2011~2015 当時27~35 口頭 男

国家公務員 Boston

人間関係

(澤さんとお互いに知人を連れて集まった際、私から「澤さんはお付き合いの幅が広いですね」と水を向けたところ、)
それはね、今までいろんな仕事をしてきたけど、その時々の付き合いをその後も大事にするからですよ、努力しないと付き合いは続けられないからね。
(と、あの笑顔で語られました)

2011~2015 当時50以上 口頭 男

国家公務員 MI

仕事の進め方

いつも元気そうやねぇ。
(「全然そんなことないです!!」)
元気そうに見えるくらいにやっとったら大丈夫や。
(事実、そんなに元気に調子よく仕事が進んでいなかった時だったのですが、焦りや苛立ちがスゥッとおさまりました)

2011~2015 当時36~40 口頭 女

国家公務員 MI

仕事の進め方

(「私でよろしいんでしょうか。」)
君、自分で活かし方わかっとるやろ。あかんかったら声かけんわ。
(役不足かと若干躊躇していたら、ドンと背中を押してくださいました)

2011~2015 当時41~45 口頭 女

国家公務員 おまえ、あほか、(笑)

仕事の進め方

【上司の役目】
(とある有識者会議で大学教授を怒らせてしまった。その会議に澤課長(当時)は出ておらず、澤課長に報告し、自分としては責任を取ってその先生に謝罪をしにいこうとしたところ)
おまえ、あほか、補佐から謝られても納得するか、原因者が謝っても却って火に油や、謝るってときは”肩書き”で謝るんや、えらいやつ、すなわち課長の俺を使わんかい。
(と言い放たれ、その場で大学教授に平謝りの電話をされた。その件が発端となり、その大学教授と澤課長は非常に親密な関係を構築された。まさに、「上司をうまく使え」と「ピンチはチャンス」を見せていただいた一面。この一件以降、自分の部下がミスって謝罪が必要なときは自分が出ていくように心がけています)

2001~2005 当時27~35 口頭 男

国家公務員 おまえ、あほか、(笑)

仕事の進め方

【課長の仕事】
(澤課長(当時)から地方赴任(県庁)の内示を受けたとき)
お前は県庁に”課長”で行くんやから、課長の三原則を教えといたるわ。
(と言って以下を伝授されました)
1.課内の飲み会では、二次会には行くな。ただし会費は多く払え。(いくら仲のいい課内であっても課長が飲み会にダラダラ付き合うと課員の息抜きにならない、周りは絶対”課長、二次会行きましょうよ”と言うがそれは単なる気遣いであり、真に受けてはならない。) 
2.上司(県庁なら部長や知事)に説明する資料が直前にしか手元に来なくても怒ってはいけない、来ない資料を何も言わずにぐっと我慢して待つこと。そうしていれば、さすがに部下もいつか気が付く。
3.・・・
(なぜか3つ目をおっしゃらなかったと思います。要は、それを見つけるのは課長で赴任するお前自身の宿題や、とおっしゃったのでしょう。今、本省の課長にもなりましたが、①②は出来るだけ守っています。3つ目は未だ見つけられていません)

2001~2005 当時27~35 口頭 男

国家公務員 HS

仕事の進め方

(管理職としての心構えを話してくれた)
1.3分前に資料を渡されて上に説明してくれと部下から言われても怒らない。(普段から情報共有や指示ができていれば、知らない情報が直前に上がってくることはない)
2.課で行われる二次会には行かない。(二次会以降は上司への不満を述べる場である)
3.夕方に外出したら戻らない。(課員に夜残す圧力を与えない)
4.課内の目標設定を敢えて低めに設定し、課員に達成感を与えるべき。

2001~2005 当時22~26 口頭 男