食材と食事内容

癌細胞はブドウ糖だけを餌として増殖すると言うことがわかっています。そのため、餌となるブドウ糖をなくせば弱るという考えから、糖質制限食というものを推奨している人もいます。ただ、カロリーは維持しなければならないので、癌患者の場合は脂質・タンパク質を多く取らなければなりません。

ネットなどでいろいろ調べて、自分なりの糖質制限食を作ることにしました。考え方、役に立つキッチン用具、食材、献立まで自分の備忘録を兼ねてブログを付け、家族と近しい友人に公開していました。

それを基に癌患者(膵臓癌で肝臓などに転移している場合)用の食事例を紹介したいと思います。やはり人それぞれで合う、合わないがあると思いますので、参考程度にお読みくだされば幸いです。



糖質制限食について

癌患者用の食事療法をネットで調べていて出てきたのが、「東京銀座クリニック」の「がんの中鎖脂肪ケトン食療法」▶というものでした。
これによると糖質+タンパク質:脂質の割合を 1:1.5としているので、

上記のことから2000 kcalぐらいを目指せばいいのだと判断しました。

実践しようと1週間食材の量を計りながら、穀類を減らして、脂質を増やそうとして料理を作りましたが、後でカロリー計算してみると糖質40g以下、脂質180gはほとんど無理に近いことがわかりました。野菜にも糖質がたくさん含まれているので、穀類減らしても数値が減りませんし。脂質を取ろうと油を多くすると料理が全部油っぽくなってしまいます。

1か月後、夫から体重減少が少しずつ進んでいて筋肉がつかないという意見があった(「食材選び」参照)ので、もう一度見直すことにしました。

無理なく作ることができ、おいしく食べられて体調が良ければそれでいいと思い、スタンダード糖質制限食よりもう少し緩いメニューを考えることにしました。

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便利なキッチン用具

食事を作るにあたって、役だったものを紹介します。


1.ミルサー

コーヒー豆を挽くのに使っていたものだが、玄米クリームを作るのに玄米を挽くのに便利だった。

2.デジタルキッチンスケール

容れ物の分を勝手に引いてくれる賢いタニタのキッチンスケール。

3.ブレンダー

普通使っていたミキサーは種や氷などは粉砕できないし、八ヶ岳に置いてあるので、東京用に買うことにした。1人分で十分なので、価格が高くて場所を取るバイタミックスはやめて、ラッセルホブスのブレンダーに決定。毎朝のゴーヤジュースに活躍した。

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栄養・カロリーの計算

糖質制限食は栄養成分(糖質、タンパク質、脂質)とカロリーをきちんと計算する必要があります。ダイエットするためならそんなに厳しくなくてもいいかもしれませんが、癌患者用となると、低糖質、高脂質で高カロリーにしないと、体重が落ちてしまい体力がなくなってしまいますので。

まずは料理する前の食材の計測値を測る必要がありますが、最初は使いにくいキッチンスケールしかなかったので、この2つのサイトで計算していました。

グラムのわかる写真館▶
食品成分表▶

料理に使う食材の量を確認しながら、メモして計算、それをエクセルの表に入れるという面倒な作業をしていましたが、デジタルキッチンスケール購入、iPhoneのボイスメモに入れて、分量がわかったところで、数値入力は今度はこちらのサイトで行いました。

カロリーslim▶

よく使う食材のカロリーと栄養成分をエクセルに入力して、表を作ったのでその後計算は楽になりました。1か月もするとなんとなく目分量でも大丈夫になりました。
エクセルの栄養・カロリーの表はダウンドーロできますので、よろしかったら参考にお使いください。 エクセル表▶

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食材選び

『家族のケアでがんは消える』の本などにもありますが、癌患者に推奨されている食材は、「野菜、果物、豆、海藻、きのこ、木の実、魚、鶏肉、全粒粉の穀物、不飽和脂肪酸の油など」です。毎回栄養成分の割合とカロリーを1つずつ計算するのは時間も手間もかかります。

楽しようと思ったら、「手ばかり」で食材の分量を量る「手ばかり栄養法」などが参考になると思います。ネット検索すれば出てきます。その分量と栄養成分の割合とカロリーを1,2度計ったらその後は目分量でも行けるようになるのではと思います。

糖質制限食では、野菜は両手いっぱい、魚や肉や豆腐は両手、主食は握りこぶしでそれに適宜、海藻やきのこ、木の実などを足し、油を気持ち多く使うって感じでしょうか。

癌患者用糖質制限食に便利な食材を挙げておきます。

1.玄米クリーム

発芽玄米を粉にしてから、鍋に水を入れてかき混ぜて作る。消化が良くGI値も低い。

2.ふすまパン

私が買っていたのは「みどり工房。」という通販サイトの菊芋ふすまパン。

3.ベジミート

大豆から作った肉の代用品。自然食料品に置いてある。使いやすかったのはオオサワの大豆ミート(ひき肉風)。

4.ケフィア

癌患者には乳製品がいいと言う説と悪いと言う説があるが、発酵食品はいいと言われているし、ヨーグルトは腸内環境を整えると言われているので迷った。でも、ケフィアの菌を使うと豆乳でヨーグルトを作れるので、自家製豆乳ヨーグルトを作ることにした。味は酸っぱい豆腐だが、まずくはない。それにナッツやらココナッツオイルやらを混ぜた。

5.油

中鎖脂肪酸の油(ココナッツオイル、MGTオイル)の他、オリーブオイル、エゴマ油、ごま油をよく使った。(最近のココナッツオイルは臭いがほとんどないものや、中鎖脂肪酸の割合を90%まで高め、低温になっても液体のままのものなど出ているので、使いやすくなった)

6.玄米

無農薬有機栽培で自然乾燥の玄米と発芽前玄米をネットで購入。

7.水素水

飲み水として友達に勧められてナチュラリープラスの水素水IZUMIOを購入。


★玄米については使い方を変えたので、以下にその時のブログの記事を載せておきます。

玄米食について 2015/10/28
食事療法を初めて1カ月が過ぎた。
途中入院が入ったりしたけど、抗がん剤治療との併用の食事は2週間近く。

夫から少しずつだけど体重減少が続いていること、筋肉がつかない状況であることから、今の食事(玄米クリーム中心の糖質制限食)は直感として合わないのではという意見があった。

そこで、玄米食についてもう一度調べてみたら、もしかして間違っていたのかもっていうサイトを見つけた。

 「20代の大腸がん闘病記、幸せを考える」というブログ。
http://大腸がん闘病記.jp/dietetic_treatment_of_large_intestine__cancer/the-demerit-of-a-diet-on-brown-rice.html
玄米のデメリットの説明の部分で、「私自身が「金庫のこじ開け方(=消化しやすくする方法)」と「毒を無毒化する方法」を知らないまま、安易に玄米食をやってしまったことで、体が衰弱していったからです。玄米のことを何も知らずに玄米食を始めてしまった私が悪いのですが、体に違和感を感じつつも、頑張って1年間くらい続けていたら、どんどん体がやせ細り、体力が失われていきました。我慢強い性格が仇になりました・・・。(*_*) 」
とあった。

玄米には「発芽抑制因子(アブシジン酸)」という有害物質が含まれていて、料理法を間違えると正常細胞のミトコンドリアを傷つけるとのこと。
また市販されている「乾燥した発芽玄米」は、通常の玄米以上に「発芽抑制因子(アブシジン酸)」の毒に犯されているとのこと。
この毒を無毒化するには、「乾煎りする」か「一度浸水させて発芽状態にする」のがいいと書いてある。それには発芽率100%の無農薬米で。

また玄米には抗癌成分である、「RBA」「RBF」「フィチン」があるとのことだからぜひともとりたい。
RBFは、玄米の米糠(こめぬか)の部分に含まれている物質で、増殖に必要なエネルギーをがん細胞に供給するのを防ぎ、がん細胞を兵糧攻めにするらしい。

玄米の記事があり、勧めていた農家からの発芽前玄米を注文した。
http://大腸がん闘病記.jp/dietetic_treatment_of_large_intestine__cancer/reco
mmended-non-agrochemical-free-chemical-fertilizer-brown-rice.html
ただ、この玄米よく見たら、外皮を薄く削り取っているとのこと。としたらRBFはないってことになる。
白米の代わりの1回分の食事にするのはいいけど、玄米粉や玄米クリームには向かないってことだ。
その分は今までの発芽玄米を乾煎りしてとりあえず使おうと思う。

また、外皮って米糠のことだから、自然食の店で無農薬のいり糠買ってきた。これをさらに炒って、粉をヨーグルトに混ぜたり、味噌汁に入れたりすることにした。

それから、ゴマやちりめんじゃこや鰹節やとろろこぶと混ぜてふりかけを作ってみた。これをご飯にかけたり、納豆に混ぜたりしてみたいと思う。

これで体重が増えるといいけど。

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献立例

朝はすい臓癌に効果があるという生ゴーヤを使ったジュースを作っていました。バナナを加えているので飲みやすいです。毎日ふすまパンだと飽きるので、発酵バターを使ったクロワッサン(癌患者である鳥越俊太郎さんが毎朝食べているとあったので。クロワッサンはカロリーは高いけど糖質は低い)に替えたりしていました。

1週間の献立例は3食写真があるのを選びました。時々外食もしていましたので、1日だけ昼食に外食の時の献立を載せました。基本、朝はパン食、昼夜は和食。特に冬だったので夕食は鍋が多かったです。おかずも毎日すべて手作りというわけではなく、自然食の店で添加物が入っていない惣菜なども時々利用していました。

抗癌剤治療後、熱があったりした時はプチ断食のようにスープやジュースだけや2食だけの日もありましたが、ここでは挙げませんでした。

月曜日

火曜日

水曜日

木曜日

金曜日

土曜日

日曜日

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